マンガ大賞直前!過去のマンガ大賞大賞作はどんな読者が読んでいたのか!?

  • 2015.03.23 Monday
  • [ 分析 ]

株式会社ブクログのマネージャー大西です。
そろそろ花見ができそうな季節になってきましたね。

2015年3月24日に、『マンガ大賞2015』の発表が行われます。
マンガ大賞は、書店員やその他さまざまな職業の方々を中心とした、漫画好きの有志によって運営されている漫画賞で、2008年にスタートしました。

マンガ大賞2015

この賞の選考基準の1つに、『投票対象は単行本が8巻まで出ているもの』というものがあります。
選考委員による投票で大賞が決まり、その様子は、YouTubeでの配信も予定されているようです。

今回は、マンガ大賞の過去に大賞をとった作品の読書傾向、そして2015年マンガ大賞ノミネート作品の傾向を、「ブクログ インサイト」を使用して分析してみたいと思います。

過去の大賞について

2008年から、これまでの大賞作品は以下の7作品です。

2008年大賞
2009年大賞
2010年大賞
2011年大賞
2012年大賞
2013年大賞
2014年大賞
著者 : 森薫
エンターブレイン
発売日 : 2009-10-15

「ブクログ インサイト」を使用して分析し、以下のような傾向が見えてきました。

20〜40代まで幅広く読まれる作品

過去のマンガ大賞受賞作品すべてに言えることですが、20〜40代と幅広い年代に読まれています。
「おもしろいマンガ」という観点から、絞られた年代向けではない作品が受け入れられる傾向にあるようです。

参考:銀の匙(1)の年代・性別のグラフ

 

特に20代後半の女性に支持されている

今までの大賞作品では「岳」を除く、すべての大賞作品で20代後半の女性の本棚登録の割合が高くなっています。

参考:3月のライオン(1)の年代・性別のグラフ



上記のような傾向から、幅広い層からおもしろいと支持された作品がマンガ大賞に選ばれていることが必然と見えてくるのではないでしょうか。

また、2015年マンガ大賞ノミネート作品から、上記のような傾向がある作品を調べてみました。

20〜30代後半まで幅広く読まれるノミネート作品

  • 聲の形
  • 僕だけがいない街
  • BLUE GIANT
  • ボールルームへようこそ

20代後半の女性に支持されているノミネート作品

  • ドミトリーともきんす
  • ボールルームへようこそ
  • 魔法使いの嫁
いかがでしたか?
過去の傾向から、どの作品が大賞をとるのか?という思いで、「ブクログ インサイト」のデータを分析してみましたが、この作品は大賞じゃないのか、、データに関係なくこの作品は好きだなぁ、、などと悩みながらこのエントリーを書きました。

やはりマンガ大賞のノミネート作品は、データでは測れない、毎年バラエイティに富んだ作品ばかりでハズレはありません。
2015年は過去の傾向とは違う、大賞作品が出てくるかもしれません。ひとまず、明日の発表を楽しみに待っていようと思います。

最後になりますが、今回もデータ分析に利用しました、国内最大級のブックレビューコミュニティ「ブクログ」の読書データの情報を見ることができる『ブクログ インサイト』のセミナーを3月30日に行います。
出版社の方向けのセミナーとなりますが、ぜひご参加をお待ちしています。
 

3/30(月)ブクログ インサイト セミナー開催

書籍販売のマーケティングにおいて、書店や取次などのPOSデータの活用は重要です。

紀伊國屋書店の「パブライン」や、日販の「WIN」インテージの「出版POSサービス」などが在庫の情報や販売状況を閲覧できるPOSデータを公開しています。
そうしたデータによって書店を軸としたサービスが主流となっている中、ネット書店の拡大などにより、ネット上での読者の動向も無視できない状況になりつつあります。

このたび、幅広い年代のユーザが集まる国内最大級の会員を誇るブクログでは、こうした年代、性別などの読者層の分析を行うことができる、読書データの閲覧サービス『ブクログ インサイト』をスタートします。

先日の記事でも、話題の本を分析する際に、実際のグラフなどを使用しています。

累計35万部突破した又吉直樹さんの『火花』は、どういった人が読んでいるのか? | ブクログ マーケティングスタッフブログ


また、下記日程にて、『ブクログ インサイト』についての紹介や活用方法などを説明するセミナーを開催します。
小規模ではございますが、ご都合つく方はぜひご参加ください。
お待ちしています。

開催概要

日時:2015年3月30日(月)17:00〜19:00
会場:GMOインターネットグループ会議室
東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー 
主催:株式会社ブクログ
参加費:無料
定員:10名
対象者:出版社の販売、編集、営業部など担当の方
※応募者多数の場合は抽選とさせていただきますことを、あらかじめご了承ください。


★お申し込みは申し込みフォームにご記入ください。後ほどご案内を送らせていただきます
https://booklog.jp/offer/167
 

プログラム(予定)

-ブクログのご紹介
-ブクログインサイトの基本機能のご案内
-ブクログインサイトでの活用方法について

★お申し込みは申し込みフォームにご記入ください。後ほどご案内を送らせていただきます
https://booklog.jp/offer/167


[セミナーお問い合わせ先]
株式会社ブクログ
担当:大西
https://booklog.jp/contact/ad

累計35万部突破した又吉直樹さんの『火花』は、どういった人が読んでいるのか?

  • 2015.03.18 Wednesday
  • [ 分析 ]
株式会社ブクログのマネージャー大西です。

2015年3月に発売した、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんの小説『火花』。
文藝春秋さんが発行する文芸誌「文學界」に掲載され、本が発売されるや即日重版が決まり、大きな話題となりました。
ブクログの3月第3週の週刊本ランキングでも、初登場2位にランクインしました。

そんな著者の又吉直樹さんは、2011年に幻冬舎さんから出版された『第2図書係補佐』で単著デビューし、
以降、『東京百景』などのエッセイや数多くの作品解説などを手掛けるなど、芸能界屈指の読書好きとして知られます。

今回は、この『火花』とともに過去の又吉さんの著書も含めた分析を、
ブクログのデータを閲覧できる新サービス『ブクログ インサイト』のデータをもとに見ていきたいと思います。
著者 : 又吉直樹
文藝春秋
発売日 : 2015-03-11



『第2図書係補佐』の本棚登録男女比


グラフですが、赤が女性、青が男性となります。
2011年11月に発売された『第2図書係補佐』ですが、又吉さんが尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介や中村文則さんとの対談などを収録したエッセイ作品となっています。
F1層(20〜34女性)に圧倒的な支持がされている作品となっています。

 

『東京百景』の本棚登録男女比

2013年8月に発売された『東京百景』は又吉さんが上京してきてからの思いを東京の百景になぞらえて書かれたエッセイです。
本作もF1層に圧倒的に支持された作品となっています。割合としては前作と同じようなグラフとなっています。又吉さん自身、圧倒的に女性の読者がついているということが分かります。

 

『火花』の本棚登録男女比

そして、『火花』ですが、発売になる前から話題になっていたこと、書店の新刊棚での積極的な展開、新聞以外にも街頭広告も展開がされているようです。
そうした積極的なプロモーションにより過去2作と違い、10代や35歳以上の本棚登録数の割合が増えています。そして、男性の割合も徐々に増えてきそうな兆しもみえてきています。
結果、今回の話題性や積極的なプロモーションによって今までの読者以外の読者を獲得していってるのではないでしょうか。

3月17日時点で3度の重版、累計で35万部を突破しているということもあり、今後も本棚登録数も伸びていくと思われます。
最終的に、どういった読者層になっていくのか引き続き注目していきたいと思います。

今回ご覧いただいた、国内最大級のブックレビューコミュニティ「ブクログ」の読書データの情報を見ることができる『ブクログ インサイト』のセミナーを3月30日に計画をしています。
もし、ブクログ インサイトやセミナーについてご興味のある方はぜひお問い合わせいただければと思います。

ブクログ マーケティングブログがスタートします

株式会社ブクログでマネージャーをしています大西です。
最近行った書店は、山下書店渋谷南口店です。

ブクログは、2004年にネット上に自分の本棚を作ることができるWebサービスとしてスタートしました。
現在は開設アカウント数が89万人(2015年3月12日現在)となり、沢山のユーザがブクログに読んだ本や読みたい本などの記録をしています。
そうしたユーザの読書動向、興味などのデータの分析した情報を出版社の販売部、マーケティング部、編集部の方に参考になるような形にして発信していくのが、このブクログマーケティングブログです。

これから、皆様よろしくお願いします。

また、ブクログでは出版社様や電子書籍ストア様、通販サイト様と様々なお取り組みを行っています。
こういったことができないかなど、ご質問やご興味があればお問い合わせをお待ちしています。

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